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独り言をぶちぶちと…。


by boozer_from_hell
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御園座遠征レヴュ−

てぇへんだ、てぇへんだ!!
わたくし、成田屋の若旦那にバッタリ出くわしてしまいました…。新幹線のホームで。
その直前に、片岡市蔵丈をお見かけして、でも何だか忙しそうにホームを走り回っておられたので、声を掛けそびれていたのですよ。で、そのまま自分の乗る車両ののりばに向かって歩いていて、ふと目を上げるとお坊様かと思ってしまいそうなお姿(坊主・帽子無し、黒ブチ眼鏡、上下とも作務衣、確か足もとも下駄か雪駄)で海老様がお母上らしき女性(お顔は存じ上げているのですが、視界の端で見たので定かではありません…)や市蔵丈と談笑してらしたのです。
予期など当然していなかったので、口ぽかーんの目真ん丸という最悪のマヌケ面でフリーズしていたところで海老様と目が…合ってしまって……(嗚咽)。ただのマヌケ面ならまだしも、朝描いたアイラインが下瞼に転写済み(挙げ句クマも黒い)というグラムロッカーみたいな目許、日焼け止めの塗り過ぎにより顔が白すぎ、口紅(というか色付きグロス)も半分落ちたような状態、服とカバンと靴のコーディネートが統一感ナシ、といいところがまるでないコンディションだったのですよ。そのことに思い当たって、目を合わせたままコンマ1秒で「憧れの人と直接話す時は自分がせめて合格ラインより上の状態の時にしたい!」というかなり気色悪いことを咄嗟に思いつき、更に当然目をそらされ、声を掛けられずに帰京して参りました…。
でも、今思い返しても、声掛ければよかったという気持ちより、声掛けなくてよかったのかもという気持ちの方が強いです。ほら、人が大勢いるところだし、私が自分の事だけ考えて声掛けてたら、他の歌舞伎ファンですらない人まで集まって来たりして御迷惑になったかもしれないし。声を掛けたら迷惑そうな顔をされそうな気配でもあったし。
ええ、すべて言い訳ですよ!負け犬ですとも!でもいいの、せめて大好きな役者さんの迷惑にはならなかったから!チャンスの女神には前髪しかないとは言うけど、私が歌舞伎ファンをしている間は、また出くわすチャンスがあると私は勝手に信じてます。妄想だと頭のどこかでは思ってるけど、実際に出待ちせずに会えた(というか、見られた)もの。
実は私のような出待ちしない女の方が危険かもしれませんな。サインや握手や写真を貰うこと以外に自分のプレゼンということまで頭にあるわけだし。自分でも頭オカシイと思ってるです、でもどうにもならんです。小心者の妄想愛好家なので、実害はないはずだけどね。ということで、海老様、御安心下さりませ。

さて、ここからはレヴュ−!

1.源氏物語(藤壷の巻、葵・六条御息所の巻、朧月夜の巻)…個人的には東儀氏の音楽は嫌いですが、今回オープニングで歌入りの曲が流れてて、しかもその歌声がどうも海老様のもののようで、なおかつ歌い方が気取りがなさ過ぎて(性格が出てるのか?)聴いていて照れくさかったっす。さて、今回も瀬戸内寂聴先生の「ヤバいとわかっていても女が惹かれる男・光の君」描写がストライクゾーンにバシバシ決まってました。まぁ、客として見ていたら「コイツはその場その場で言うと自分がいい気分になることを言ってるだけの女好きなボンボンだろ」と醒めた目になってしまうこともあるんですが。何しろ海老様(常に目は半開き)ですから。女にはスリルと安らぎしか求めてなくて、面倒なことになったらさっさとズラかるという最低な性格でも、何か憎めないのですよ。
ところで、幕間にロビーで見かけた小太りのブッサイクなオバチャンが二人して海老蔵の光源氏をクソミソにけなしているのを小耳に挟んでしまい、軽く殺意を覚えました。しかも、批評が的外れで(例:「海老蔵の光の君は、若さはあるけど、神の寵愛を一身に受けてるって感じの華やかさがない、うらぶれた感じで全然ダメ」ツッコミ:「自分の養母と密通して子供まで出来て苦悩するという設定で、うらぶれていない光の君を期待するのが間違ってます」)。オメーラは過去も含めて一生あんな美貌の人には相手にされない(=末摘鼻以下)んだからだぁってろ!とザ・グレートカブキばりの毒霧を吐きそうになりました。通ぶった批評のつもりかもしれんけど、今海老蔵以上に光源氏役がハマる役者は現代劇も含めていないと思うぜ。

2.熊谷陣屋…えー、ストーリーを乱暴に説明します。平家の武将・敦盛が帝の御落胤だから助けなきゃいけなくて、源義経の家臣・熊谷が義経が敦盛を助けないとと思ってるのを察して、困っている主君のために「平敦盛討ち取ったり」と言って首実検に出した首が実は熊谷の息子のもの、という『寺子屋』に似たお話。
敦盛の母・藤の方を演じた扇雀丈が、しばらく客席に背を向けていて、振り返ったら滂沱していてびっくり。それから亀蔵丈の役が登場して即行で殺されるので驚きました。
あと、義太夫の語り手さんと上演中5回くらい目が合いました。多分気のせいじゃないと思う…。私がじろじろ三味線の人の手元を見ていたので不審がられたのかもしれません。

3.口上…すでに4度も成田屋さんに睨んで頂いているので、今年は間違っても風邪をひく事はないでしょう。ということで、口上も一通り幹部俳優のは聞いたと思ってましたが、名古屋では亀治郎丈、市蔵丈、信二郎丈、男女蔵丈が確か初列座。今回も皆さん海老様のキャラをネタに笑いを取ってましたよ。あと、来月のパリ公演で成田屋の大旦那が復活という話題も出てました。めでたい事ついでに!って感じか?
そうそう、睨みが終わった後、客席の女性が数人感極まって泣いてました。っていうか、どう感極まるんだか…ガサツな性格なので理解不能です。

4・助六縁江戸桜…えー、6月に歌舞伎座で見たものと脚本はほぼ同じでした。御当地ネタとして名古屋弁やドラゴンズなどがありましたが。
今回は、くわんぺら門兵衛を演じた富十郎丈がすんごい楽しそうな顔をしてらっしゃったのが印象的でした。助六と喧嘩しながら嬉しそうな表情をしてましたよ。楽しい役だろうとは客席から見てても思うが、顔に出る程なのか!と思ったり。あと、松也丈は将来間違いなく白玉も揚巻もやれるね!と思ったです…唯一の心配は身長ですが。180センチ台の野球選手体型で女形が出来るってどーいうこっちゃ、と前は思ってたけど、今は「この子は女形の花道を行くぞ」と勝手に確信してます。
by boozer_from_hell | 2004-09-27 03:05 | 歌舞伎